運動不足の人や痩せたいけれど何もしていない人から、「運動は何をしたらいいですか?」と聞かれることがあります。しかし、普段から運動をしていない人に重要なのは、『何を』したらいいかではありません。
日常的に運動している方にこのような質問を受けた場合には、その目的にあった運動のアドバイスをすることは有効です。『何を』運動したらいいかです。
しかし、運動していない人には、『何を』ではなく、『どれだけ』運動するかが大切になります。
普段から運動していない人は、もし何か運動をアドバイスしても、やっても三日坊主だったり、「やったほうがいいのはわかっているんだけど...」と言い訳しながらやらなかったりします。
そういう方は運動する習慣がないので継続するのが困難なのでしょう。ですので、まずは『どれだけ』日常的に運動するかを第一に考えたほうがいいです。運動の“量”です。
運動はなんでもいいので、自分が好きなものとか楽にできるものを選び、毎日やる、もしくは決めたペースでやる習慣をつけます。運動する時間は短くてもいいですし、運動の負荷は小さくてOK。それよりも、『この時間は運動する』という時間帯を決めて、その時間は運動するようにします。そうして、まずは今までの生活で0だった運動の“量”を増やします。そして、少しずつ運動の量(時間と負荷)を増やしていき、運動を習慣化できてから、運動の“質”を考えたほうがいいでしょう。つまり、『何を』運動したらいいかです。
「どうせ運動するなら、効率よくやりたい」とか「最小限の努力で、最大の効果をあげたい」と考える方は多いと思いますが、行動力のあるタイプの人はそのような思考はしません。考えるより先に、即行動します。そして、やりながら、失敗しながら、修正していきます。『走りながら考える』方法です。結果、成果をはやく得ることになります。
一方、効率をまず考える方で最悪なのは、考えるだけ考えて、結果行動しないことです。そして、行動よりまず考えるタイプの人で実は多いのが、無意識なのでしょうが、「どうやったら運動しないですむか」の言い訳を探しているのではないでしょうか。「時間がないから」とか「近くにジムがないから」などなど。しかし、一日10分の時間が作れない人などいないでしょうし、寝るスペースがあれば腹筋はできます。そもそも本気で運動する気がないというのが実際のところなのではないでしょうか。極端な例ですが、「火事だ〜」と叫び声が聞こえてきて煙がモクモクと入ってきたら、即逃げるという行動をするはずです。そんなときに、「まずは本当に火事なのか、ネットで調べて...」などとグズグズしていたら死んでしまいます。つまり、本気ならば、即行動にうつせるはずですよね。それができないのは、現状維持でも構わないという選択を無意識にしているのでしょう。もっと端的にいえば、「面倒臭いから今のままでいい」という本心。
新たな行動の一歩を踏み出すには『やる気』というエネルギーがいります。その『やる気』は、行動することで増えていく性質があるようです。自転車で走り出すときは「ウンセウンセ」と漕がなければいけませんが、次第にスイスイ走れるようになりますよね。『やる気』にはそんな加速度が働くようです。
アレコレ考えずに、まずは一歩を踏み出して欲しいと思います。そうすりゃ、なんとかなるもんです。