【発育症例】反射的に手が出る
8歳小学2年生の男子。幼稚園から反射的に手が出ることがある。集中力がなく、椅子に座っていられない。聴覚過敏などの感覚過敏があり(学校では耳栓をしている)、教室のカーテンにくるまったり、机の下にもぐったりする。
親御さんが一番気になっていることが、無意識に周りのお子さんを蹴ったり叩いたりしてしまうこと。集団行動だと聴覚過敏から脳が疲労してしまい、自己コントロールが利かない状態になってしまうのでしょう。
観察していると、課題が難しかったり説明がわからなかったりすると、癇癪をおこし、親御さんに八つ当たりをするという場面が見受けられた。
彼は店内に置いてある『着るビーズクッション』を気に入りました。クッションに埋まると「ハァ~ッ」と声が漏れます。『着るビーズクッション』の圧覚(ビーズ圧?)が全身にかかるのがいいのでしょう。彼が教室のカーテンの生地にくるまるのは、音を遮断する効果があるだけでなく、全身を圧迫する刺激で自分をリラックスさせようとしていると推測されます。
脳が疲労してバテると癇癪を起こしやすくなるので、脳のバッテリー残量を増やすことが大切になります。充電です。彼にとっては、『着るビーズクッション』が"脳の充電器"になっていると思いました。感覚においては、触覚と固有覚への刺激です。
他の感覚においても、ブレインバランスの観点からリラックスするものを探っていくことをしました。
・視覚…ブルーのサングラスをかける
・聴覚…手動式カウンターのカチカチ音を右耳から聞く
・嗅覚…ローズのアロマを右鼻から嗅ぐ
・触覚&固有覚...着るビーズクッション
・前庭覚…右足での閉眼片足立ち
・内受容感覚…腹式呼吸
脳には「汎化作用」というものがあります。脳内の神経ネットワークは複雑に繋がっているため、一部が活性化すると連鎖的に他の領域も活性化するというものです。ブレインバランスでは、検査で脳機能の左右差を判断し、眠っている脳領域への感覚刺激を行ないます。今まで眠っていた脳領域が活性化すると、「汎化作用」が起こることが期待できるわけです。
「反射的に手が出る」ことを改善したいわけですが、それを目的とせず、ブレインバランスを整えることで「脳内のネットワークがスムーズに流れること」を目的とします。そのことにより汎化作用を起こすことで、結果として「反射的に手が出る」ことがなくなっていくというメカニズムです。脳の発育をうながすともいえるでしょう。
そして、癇癪をおこしたときに、腹式呼吸をさせたり、カチカチ音を右耳から聞かせたり、右足での閉眼片足立ちをさせたりして、癇癪をやり過ごすことを経験させました。今後、状況に合わせて自分で癇癪をなだめるテクニックを使えるようになることを目指しての指導です。
そうして、施術を続けていったことと環境整備により手が出ることがおさまっていきました。環境整備は、クラスの人数が少ないインターナショナルスクールに転校したことです。
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