更新日:2026年4月25日
上咽頭擦過療法は効かなかった
20代男性。一年半前にコロナ感染。その後遺症で後鼻漏になる。痰がへばりつく感じがして、三時間毎にえずいて痰を吐き出しているとのこと。頭を使っていると熱がこもってくる感じになる。元々、ダニほこりアレルギーで鼻水は落ちていた。漢方は少し効いた。
耳鼻咽喉科で、上咽頭擦過療法(EAT)を受けたが効果は感じなかった。
※上咽頭擦過療法は薬液に浸した綿棒で上咽頭を擦る治療法
・"Bスポット療法"と呼ばれていて、慢性上咽頭炎に効果があるといわれている
・上咽頭には迷走神経が豊富に分布していて、擦過により上咽頭の粘膜下に溜まった炎症性サイトカインを血液、リンパ液とともに上咽頭粘膜の外に排出していく
施術では、第一頚椎の矯正を軸とした骨格矯正を行いました。副交感神経のメインは迷走神経と言われる脳幹から出ている脳神経で、全身のほとんどの器官に分布しています。この迷走神経は第一頚椎の前方を通っているため、第一頚椎が歪んで拘縮すると迷走神経の神経伝達に支障がでてきます。
セルフケアとして、ハミングを日常生活で行うことを勧めました。
ハミングは、副鼻腔炎の予防に効果があるといわれています。ハミング中は通常の鼻呼吸と比べて鼻腔内の一酸化窒素(NO)濃度が15倍に上昇し、抗菌・抗ウイルス作用が期待されます。さらに、リラックス効果もあります。喉や声帯に関連する筋肉は迷走神経に支配されており、ハミングによって副交感神経が優位になるのです。
また、話を聞いていくと、部屋の換気を全くしていないということ。リモートワークが多くて一人暮らしの部屋にいることが多いにも関わらず、窓を開けることをしていない。
そこで、「お風呂の水を替えないで、何日間入浴できますか?」と聞きました。
普通の人であれば、何日も替えないことはないはずです。水が汚れていくのが目に見えて分かるからです。部屋の空気も同じこと。空気を入れ替えなければ、淀んだ空気の中でずっと生活することになります。
このようなやりとりをした後には、部屋の換気を定期的にするようになったそうです。
施術を続けていくと、4回目の来院時に「症状が楽になってきた」との報告あり。ただ、埃っぽい場所だとえずくこともあるようなので、埃っぽい場所では必ずマスクを着用することをアドバイスしました。
また、トイレが近くなっていたのが改善したとも言っていました。内臓感覚の鋭敏さが収束したと考えられます。交感神経が優位な状態だったので、膀胱の張力に対して過敏だったのでしょう。それが、副交感神経も働くようになり、"内受容感覚"という身体内部の状態を脳が感知する感覚が正常に働くようになったと推測されます。
そして、この男性は5回の施術で卒業していきました。
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