原始反射が注目されているのはなぜか?
原始反射は、近年、発達支援や子育ての観点から注目されています。その背景として、原始反射の仕組みが分かりやすいからという一面があると感じています。
発達支援において脳の発達を促すには運動がいいのですが、それが腑に落ちない保護者は多い印象があります。親御さんが困っているのは、お子さんの癇癪や多動、コミュニケーション力、社会面、学習面などです。それらをどうにかしたいのに、支援者は脳の発達のために子どもに運動させたがります。困りごとの解決と運動することが結びつかないのも無理はないのかもしれません。
その点、原始反射という観点からだと脳の発達には運動が必要なことを理解しやすいのです。
ヒトの脳と神経は、生まれてから急速に発達します。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんは考えて動いているわけではありません。反射で生きています。この神経発達の最初の段階にあるのが原始反射です。
例をあげると、吸啜反射(きゅうてつ)は、口に触れたものを吸う反射で、母乳を飲むための反応。把握反射は、手に触れたものを握る反射で、母親の体につかまる反応です。
これらは、赤ちゃんが生き延びるための生命維持システムになります。
もし、これらの反射がずっと続き、神経が発達していかないとどうなるでしょうか。
吸啜反射が残っていれば、噛んで食べることができないでしょう。把握反射が残っていれば、五本指を使った動きができません。
原始反射は、神経発達が進むにつれて、徐々に統合されていきます。そして、反射が統合した次のステップとして、姿勢が制御できるようになり、意識的な運動が可能になります。
逆に、原始反射が残ると、姿勢が悪かったり、動きの不器用さとして現れることがあります。しかし、原始反射が残存していたとしても、神経発達はやり直すことができます。適切な運動や感覚入力刺激により、神経回路が再構築されるのです。成長の過程で踏み外した階段を、再度登るようなものです。
反射の動きを卒業し、意識的な動きができるようになるには運動すればいいことは理解しやすいでしょう。そして、原始反射の残存は、姿勢や動作に現れるのでチェックしやすい面があります。つまり、原始反射は、神経発達の指標になるのです。成長のガイドラインになります。
どのくらいの時期から、原始反射が残っているのかを考えればいいのは、お子さんのお困りごとや出来ないことによって変わってくるので一言ではいえないのが正直なところです。私見ですが、5歳くらいまでは気にしなくてもいいと思います。それまでは、のびのび育ってもらいましょう。
当院では、原始反射統合エクササイズのピクトグラム動画(ピクトアニメーション)を配信しています。
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幼少期は"形の分別"がまだ発育途上です。アニメ『アンパンマン』が人気の要因は、キャラクターの形がシンプルでわかりやすいからということもあるのでしょう。つまり、子どもにとっては、リアルなエクササイズ動画を見るよりも、ピクトグラムのシンプルな形のほうが理解しやすいし、真似しやすいわけです。
ミラーニューロンをご存知でしょうか?
物まね細胞と呼ばれているもので、見るだけで自分の運動に関わる脳領域が活性化します。
とりあえず、お子さんにこれらのアニメを見せてみてはいかがでしょうか。興味を示して見てくれるだけでもミラーニューロンが働きます。そして、真似してくれればもっといい影響があることでしょう。
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