最近では健康ブームという言葉すらなくなり、健康を目指すのが当然といった風習になった気がします。健康、長生き、アンチエイジングなどなど、目指すのは素晴らしいことだと思いますが、『70点の健康を目指す』という考え方があってもいいんじゃないかとも思っています。
私自身が要領のいいタイプだったので、大学時代などは最低ラインの合格点はとりつつ単位は落とさないという「最小限の努力で最大限の効果を出す」ことをしていました。一言でいうと″手抜き″です。
そんな私にとっては、健康でも「最小限の努力で最大限の効果を出す」という″手抜き″をすることが性に合っています。そこで、『健康″70点″』となるのですが、そんな大層なものではなく、ひとつの考え方として参考にしてみて下さいという程度の話です。
ちなみに私は「健康的すぎるな〜」と感じているときには、あえて不健康なことをするようにしています。
治療院で20代女性から来院した目的を聞くと、「150才まで生きたい」「長生きで日本一になりたい」とか「200才まで生きて22世紀を見てみたい」などのコメントをもらいます。20代からそんな大目標を掲げていてスゴイと思い、「じゃあ、長生きのために何かやってるの?」と聞くと、「何もしていない」とか「医学の進歩に任せます」などの答えが返ってきます。若いだけにまだまだ本気モードではないようです。
これがアラフォー以降の女性になると、「将来、歩けなくなるのが怖いから」「周りに迷惑かけたくないから」などの現実的な意見になっていきます。
ここで気になるのが、健康情報が溢れているため、「あれもこれもやらなくてはいけない」とか「どっちが正しいのかわからない」となり、実際の行動が中途半端になってしまう方が多いようです。そして、そもそもの目標設定が『健康で100点をとろう』と思っている人が多いのかもしれないと思ったわけです。
健康で100点をとり続けるなんてことは不可能です。身体は日々刻一刻と変化し続けているので、いい時もあれば悪い時も当然あります。そして、健康だけは100点を目指したくなる人が多いのかもしれません。ただ、そういう方に考えて欲しいことは、「ではテストでは毎回100点を目指して努力していたか?」「では仕事(家事)では毎回100点を目指して頑張っているか?」と自問自答してみてください。きっと適当なところで妥協していることかと思います(100点目指している方もいるでしょうが...)。逆に「なるようになれ」でなにもしないのも考えものです。痛い思いをするのはご自身ですし、周囲の方に迷惑をかけるかもしれません。ということで、最初から70点程度の合格点を健康でも目指すのが、肉体的にも心理的にも負担が軽いのではないかと思った次第です。
このような考えに至った要因の一つに、「どんな年配の方が元気か」を見てきたことがあります。
強いなと思う方は、一言でいうとマイワールドをもっているタイプ。「私はこれをやってるから健康!」という自分なりの健康法がある人。その健康法自体に効果があるのかはさておき、その人に合っているのでしょうし、『信じる者は救われる』の言葉通りであります。
しなやかだなと思う方は、″適当″なタイプ。運動も定期的にしているけど、サボることも上手。食事も気を使っているけど、たまには好きなものをガツガツ食べたり飲んだりと結構自由。こういう方は人生が楽しそうにみえますし、私が推奨する「健康70点」はこんな感じです。
ただし、70点をとるには、食事に気をつけることと定期的な運動はかかせません。
「その食事が問題で...」とか「運動が苦手で...」など個人個人でいろいろあるでしょうが、合格点をとらないと進級できないように、最低限の努力は必要かと思います。
