坐骨神経痛がつらくてマッサージを受けても、その場は楽になるがすぐに戻ってしまう。
そんな坐骨神経痛のシビレや違和感にお悩みの方へ、効果抜群のエクササイズを紹介します。
テーマ
『バランスボールに膝立ちするエクササイズで坐骨神経痛を改善!』
対象者
梨状筋症候群と呼ばれる梨状筋(臀部の深部にある筋肉)の拘縮が坐骨神経を圧迫することで、坐骨神経の支配範囲である臀部から下肢にかけてシビレがある方(腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で下肢にシビレがある方は対象外になります)
方法
まずは動画をご覧ください(上の動画…横から撮影/下…斜めから)
<膝立ちへの順序>
①両手、両膝でボールに乗る
②すねの骨に荷重を移しつつ手を離し、足首でボールを固定
③腰を浮かせる
④足首のロックを外す
*ボールから転落してのケガに対しては責任は負えませんので、くれぐれも無理はなさらずにおこなって下さい
*筋肉はバテるので1日最大10分まで
このエクササイズを毎日5~10分間、続けることが出来れば、坐骨神経痛や下肢のシビレが改善、もしくは緩和していきます。
また、坐骨神経痛の改善だけでなく、運動能力が向上するのでゴルフのスコアがアップしたり、美容面においてもヒップラインが綺麗になったりするなど、他の面でも効果を発揮することでしょう。
【15秒のアニメ動画】
理由
ここから先は興味がある方だけお読みいただければいいかと思います。なぜ改善するのかの理由を説明していきます。
<坐骨神経痛の原因>
・梨状筋の拘縮が坐骨神経を圧迫→絞扼性障害
<梨状筋を拘縮させない対策>
・股関節周りの筋肉のうち、ボケている筋肉を働かせる(呼び起こす)ことで、梨状筋の負担を軽減する→代償作用をなくす
<股関節を鍛えるということ>
バランスボールに膝立ちするのに重要なのは股関節。
股関節はスタビライザー(不規則で不要な揺れを抑える装置)です。
ボールに膝立ちしているときは、静止しているというよりも小さな動作が絶えず続いているととらえてください。膝立ちしている状態は、ある方向に崩れそうになったら即座に修正力が働いて安定させています。その反応&修正が絶えず続いている状態です。
膝立ちできないのは、ある方向に崩れそうになったときに反応速度が遅いか、反応しても修正力が弱いかです。
組織でいうと、反応速度は運動神経、修正力は筋肉(インナーマッスル)に関連します。
ボールからある方向に崩れそうなときに、その方向に関連する運動神経が、その神経が担当している筋肉に「働け!」と信号を出します。例えると、神経は目覚まし時計です。「ジリリリリ♪」と筋肉を呼び起こします。すると起こされた筋肉が「よし!出番だな」と働くことで修正力が発揮されて崩れないですむわけです。
ここで、もう一つ、鍛えるということを考えてみましょう。
一般的に鍛えるというと筋肉を太くすることをイメージする人が多いと思います。ただ、スタビライザーを鍛える(スタビリゼーション)ということは、今まで使われてこなかったボケた筋肉を使えるようにすることです。
股関節を安定させる筋肉が10本あると仮定します。
ボールに膝立ちできる人は10本が全て働いているはずです。ボールに膝立ちできない人は7本は働いているが、3本は休眠状態とイメージしてください。この3本の休眠状態の筋肉を呼び起こして、その筋力を回復させることがスタビライザーを鍛えるということです。ボケた筋肉に刺激を入れるイメージです。
股関節を筋トレで負荷をかけて鍛えても、今まで使えていた7本の筋肉を太くするだけです。さらにバランスが悪くなるので、逆効果になることもあると思います。
注意点ここまでの話を踏まえると、休眠状態だった筋肉をやみくもにイジメても、すぐに筋力がアップしないことがわかるはずです。今まで寝たきり状態だったのですから。
リハビリのように少しずつ筋力を回復させるのが正解です。
ですから、一日の練習時間は10分までにしてください。
そして毎日続けて下さい。
なぜなら、練習を続けることで、前日できなかったことが、翌日は少しだけ出来るようになるからです。
「昨日はコッチの方向に崩れていたのに、今日はなんか踏ん張れる」という感覚を味わえることでしょう。
それは、休眠していた神経と筋肉が少しずつ活性化してきた兆候です。
ある程度、膝立ちできるようになったら、次のステップとしてボールの上でワザと傾いて不安定な状態をつくり、そこから復帰できるような練習をしてみて下さい。
ボールに膝立ちできることを目的にしないで、スタビライザーとしての股関節の機能をよりアップさせることを考えてエクササイズしましょう。
また、バランスボールに膝立ちするのが怖いという方は、バランスディスクを2つ用意して、その上に膝立ちする方法もあります。
バランスディスクを利用する際の注意点は、足先が床につかないようにすること。なので、バランスディスクを少し高さのあるところに置くのがいいかと思います。
効果はそれほど変わりませんので、チャレンジしてみて下さい。
まとめ