『心と体をつなぐ脳と自律神経』がコンセプトの恵比寿整体院リラックスアース

敏感バリア・テクニックとは

「敏感バリア・テクニック」は、脳の慢性炎症を抑制することを目的とした副作用のない自然療法です。
脳の慢性炎症によって中枢性感作と呼ばれる『脳および脊髄が疼痛の感度を増大する現象』が起こるといわれています。

そして、「敏感バリア・テクニック」は、中枢性感作の要因のひとつである下行性疼痛抑制の機能を向上させるテクニックになります。

方法は＂感覚入力刺激＂によりセロトニン神経とノルアドレナリン神経を同時に働かせます。ポイントは同時に働かせるということです。

まずは、中枢性感作と下行性疼痛抑制がどのように関連しているかを説明していきます。

慢性疼痛に関わっている中枢性感作

痛みは脳で感じます。
疼痛伝達経路を電気信号として伝わります。痛み刺激で発生した電気信号が受容器から脊髄を通って脳まで伝わり、脳で痛みを感じるのです。

慢性疼痛では、脳が過敏に反応しているケースが考えられていて、それが『中枢性感作』というプロセスです。『中枢性感作（Central Sensitization：CS）』とは、中枢（脳や脊髄）が疼痛の感度を増大する現象です。

中枢性感作の要因のひとつに「下行性疼痛抑制系」の機能不全があります。
「下行性疼痛抑制系」とは、痛みを弱めるための抑制メカニズムです。

痛みの抑制機構である「下行性疼痛抑制系」は脳から脊髄へと伝わります。
脳から脊髄後角に向けて神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリンが放出されることで抑制の信号が送られ、痛みが弱まるのです。

下行性疼痛抑制系は心理状態に大きく影響されます。
楽しいときや集中しているときは下行性疼痛抑制系が働きます。しかし、不安になったり、痛みのことばかり考えてしまうと、下行性疼痛抑制系が機能低下を起こしてしまいます。

痛み・内受容感覚・感情

脳の感受性が高まり＂痛み＂を過度に感じてしまう要因に下行性疼痛抑制系の機能不全があるのならば、下行性疼痛抑制系の機能が回復すると、＂痛み＂を過剰に感じなくなることにつながります。そして、下行性疼痛抑制系の機能向上は、＂痛み＂だけでなく、＂内受容感覚＂や＂自分の感情＂への鋭敏さをなだめることができると推測されます。

自分の内側の感覚は内受容感覚といいます。のどの渇きを感じたり、心臓の鼓動を感じたり、お腹が張っていることを感じたりすることです。
そして、内受容感覚と感情の関係ですが、主観的に感情を経験している際に活動している脳領域は、内受容感覚の領域と大部分が重複しているのです。嬉しくてドキドキしている時は心臓の鼓動を感じているでしょうし、不安でザワザワしている時は体の内部でなにかしらの不快感を感じていると思います。

この内受容感覚に関わる神経ネットワークは、痛みのネットワークとほぼ同じといわれています。脳内プロセッシングが、基本的な部分では同じところで行なわれていると考えられます。ということは、下行性疼痛抑制系は疼痛の抑制機構として知られていますが、内受容感覚の鋭敏さを抑制するとも考えられます。
それが、自分の感情に敏感に反応し過ぎることの抑制にも繋がるわけです。

下行性疼痛抑制系と薬

慢性疼痛でつかわれるノイロトロピン🄬という薬は、下行性疼痛抑制経路を活性化させることにより痛みを緩和させます。
また、線維筋痛症での激しい痛みに対して抗うつ薬がつかわれるのは、神経伝達物質（セロトニン、ノルアドレナリン）を増やし、情報伝達をスムーズにすることで下行性疼痛抑制系の機能を正常に戻すことを狙っているからです。

敏感バリア・テクニックは、薬をつかわないので副作用の心配はありません。しかし、神経系の機能を向上させるには頻度が重要なので、繰り返しおこない回数をこなす必要があります。

まとめ

敏感バリア・テクニックは、下行性疼痛抑制系を活性化させて中枢性感作を抑制することが狙いです。
それにより、痛みを緩和させるだけでなく、自分の気持ちや体調の変化などに鋭敏に反応しがちなタイプの人に役に立つのです。


＜関連コラム＞
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