仕事上、カラダの改善のために、その人に必要なエクササイズをお教えしたりするのですが、せっかくエクササイズをするようになったが、どこかが痛くなり止めてしまう方がいます。
どうも、そのようなタイプの方には、ある“思考の癖”があるようです。その癖を考えてみたいと思います。
どこか痛めたときの思考のパターンはだいたい3つに分類できます。
これらの思考の癖が、身体のケアが上手か下手かの分かれ道になるようです。
最初に、身体のケアが上手な人の思考の癖から説明します。
このタイプは、あるエクササイズで痛めてしまったら、別のやり方を試します。
なぜ痛くなったかを考え、その経験を踏まえて、他の方法をやってみます。また痛くなったら別の方法を試すことを繰り返し、自分に合った方法を見つけていきます。
痛くなったことを“失敗”と考えると、“失敗”から学んでいるともいえます。ちなみに発明王エジソンは、「“失敗”ではなく、“実験”と思え」というようなことを言っていたそうです。一回目から成功を求めずに、実験を繰り返すことが成功の近道だと教えてくれています。
この“思考の癖”は、『第三の道を探すクセ』といってもいいでしょう。
二つ目は、痛くなったら止めてしまうタイプ。
このタイプは、『0か100か』で物事を考える傾向があるようです。
「痛くなった→0点→私には合わない」で思考がストップしてしまうのでしょうか。そして、「私の身体は一生よくならない」とあきらめてしまう。
そもそも、身体の状態に100点はあり得ないと私は考えています。所詮、身体は生ものなので、刻一刻と状態は変化しています。なので、100点の効果が必ず得られるエクササイズなどはあり得ません。身体の状態が70点のまあまあ合格点を目指すことが大切だと思います。
三つ目は、痛くなっても続けるタイプ。
言われたことを続けるので、素直な方ではあるのでしょう。しかし、痛くなっているのにさらに続けると、傷が悪化してしまいます。
このようなタイプは、運動が好きな人に多いようです。運動時に放出されるアドレナリンやドーパミンの快感にウットリしてしまい、痛いのもかまわずに続けてしまう。アクセルを踏むのは上手だが、ブレーキを使うのが苦手なのでしょう。自滅タイプともいえ、ケガがたえない傾向にあります。修正能力が苦手なタイプかもしれません。
これらの“思考の癖”は、なにか仕事上やプライベートで問題に直面したときにも現れるのではないでしょうか?
問題に対処するために、@別の道を探す、Aあきらめる、Bやり続ける、です。
癖というものは、無意識なのでやっかいです。身体の癖を考えれば分かりやすいと思います。“貧乏揺すり”などは顕著な例だと思います。姿勢の癖も長年の習慣から身についてしまったものです。意識していれば治りますが、意識しなくなると自然と戻ってしまいます。
思考の癖も同様です。無意識に自分の癖の思考パターンを選択してしまいます。ポジティブ思考やネガティブ思考も同様でしょう。
これらを改善するには、まず意識することから始めるべきでしょう。無意識の思考の癖に引っ張られないように、意識的に思考を選択すること。そして、姿勢の癖なども、正しい姿勢を長く続ければ改善するように、思考の癖も続けていけば改善します。ただし、姿勢のように目に見える(鏡で見ればですが)ものであれば分かりやすいのですが、思考の癖は目に見えるわけではないので、難しくはあります。でも続けていけば変わります。
自分の身体と思考の癖を知れば、よりよい方向に自分を変えられるはずです。
せっかく己の健康のために始めたエクササイズなら、続けていきましょう。そして、続けていくうちに、「こうすれば、もっと良くなるのでは?」というような気づきも生まれ、エクササイズの質も向上していくものです。
どんどん健康になりましょう!
