初診の患者さんの問診をしていると、病院で「ストレスじゃないですか?」と言われたという話を聞きます。
体調が悪くて不安になり病院にかかる。しかし、検査をしても問題らしきことは発見されない。症状によっては、「ストレスではないですか?」とか「心因性かもしれません」となりモヤモヤしたまま病院を後にするパターンです。
そう言われたときに、「あれがストレスに間違いない!」と自分自身で思い当たることがある人であれば納得するのでしょうが、「特に思い当たることはないし...」とか「そりゃ、生きていればストレスくらいあるでしょうし...」とストレスを原因とされても腑に落ちない人も多いようです。
そんなストレスが原因ではないかと言われる症状で多いのが『自律神経失調症』という症状です。「病名」ではなく「状態」になります。
自律神経は、私たちが意識しないでも勝手に働いてくれていて、全身の様々な器官に関わっている神経です。自律神経失調症とは、その自律神経のバランスが崩れることで様々な不快な症状が慢性的におこる状態です。
よくある症状としては、慢性的な疲労、だるさ、不眠、めまい、動悸、ほてり、頭痛、多汗、立ちくらみ、冷え、肩こり、筋肉痛、関節痛、下痢、便秘、耳鳴り、手足のシビレ、口や喉の不快感、頻尿、残尿感など。
また、身体症状だけでなく精神症状もみられます。
イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、気力低下、憂鬱になる、情緒不安定など。
心と身体が密接に関連しているのが自律神経失調症の一つの特徴ではあります。
人のタイプとして感受性が過敏な方は、自分の体調の変化に影響されすぎてしまうようです。また、几帳面で真面目すぎる方も要注意です。
ただ、私の臨床経験からすると、身体が悪くなったことに対する不安が原因で、精神的に不安定になってしまっている方が結構いらっしゃいます。『自律神経失調症』と言われたことが『ストレス』になってしまうのでしょう。
そういう方は、身体の症状が改善すれば精神的な問題もいつの間にか解決していきます。
自律神経失調症の原因は3つあげられます。
生活リズムの乱れ、過度のストレス、ホルモンの影響です。
生活リズムに関しては自分で改善することも可能ですが、まずは症状に見合った病院に行かれるのがいいかと思います。そこで検査などをしても問題がないと、「ストレスですかね」とか「心因性ですかね」とか言われて、心療内科をすすめられるかもしれません。ただ、3つの原因の他に、自律神経の伝達が悪くなることが原因の場合があります。そのようなケースでは、上部頚椎と胸椎の調整することで自律神経失調症が改善していきます。
当院の施術では、上部頸椎の調整で副交感神経の伝達を改善させ、胸椎の調整で交感神経の過緊張を改善していきます。首と背中の骨格を調整しているわけですが、原因としては多いのは姿勢の悪さからくるコリです。姿勢の悪さから首と背中の筋肉が固くなり、それが慢性化するとその奥にある背骨の動きも悪くなっていきます。その結果、背骨の隙間から内臓にのびている自律神経の伝達も悪くなるという悪循環です。
たかだか身体が固いというだけで、様々な器官の誤作動を引き起こしているわけです。
内分泌系であるホルモンバランスの崩れにも関連したケースでは薬に頼るべきでしょうが、交感神経と副交感神経の伝達が悪くなっているケースは整体などの施術で改善していくと感じています。
もちろん、ストレスが原因で自律神経失調症になるケースは沢山あります。
ただ、ストレスをそれほど感じていないのに症状が出ている方は、上部頚椎と胸椎を調整することで改善していきます。
そして、ややこしいのがストレス要因が去っても自律神経症状がなくならないケース。実際問題としては、このようなケースは非常に多いです。
ストレスがなくなったから改善すると思っていたのに、症状がいっこうに回復しないと焦ってしまうのは仕方ありません。
これは初期のストレスをうけているときに不安から身体が緊張状態に陥ってしまい、その骨格の硬縮がストレス要因がなくなっても残っているからに他ありません。ストレスがメインの原因だとしたら、骨格の硬縮は副作用みたいなものと考えて下さい。そして副作用だった骨格の硬縮が、今度はメインの原因になっていくのです。
この仕組みをご理解いただければ、骨格を調整することの重要性をお判りいただけるかと思います。
なぜ自律神経失調症が当院の施術で改善するのか?
動画で説明します(再生時間2分8秒)