更新日:2026年3月3日
フラッシュバックを『テトリス』風パズルで弱める?
Xのある投稿に興味を持ちました。
「『テトリス』でトラウマを大幅に軽減できる」というもの
https://x.com/NazologyInfo/status/2024597862378606749
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状の一つが「突然よみがえるトラウマ記憶」です。"突然よみがえる"現象は"フラッシュバック"とよばれるもので、「今この瞬間」に再体験しているように感じてしまいます。
Xの投稿を要約すると、記憶は一度思い出されると、不安定な状態になり、その後もう一度「固定し直される」と考えられている。そこで、この不安定な時間帯に、同じ視空間系を強く使う課題を行うと、元の記憶の「鮮明さ」や「フラッシュバックしやすさ」が弱まる可能性があるというもの。
この視空間系を強く使う課題に『テトリス』を活用したのです。
<やり方>
❶自分のトラウマ体験の映像を数十秒ほど頭に思い浮かべる
❷頭の中でテトリスのブロックを回転させる(メンタルローテーション)ことをイメージする
❸メンタルローテーションを意識しながら、テトリスを約20分間プレイする
なるほどと思いました。
視空間情報を処理するのは右脳のワーキングメモリです。その処理能力の容量には限界があることを活用しているようです。つまり、テトリスに夢中になることでメモリを大量に使用してしまうので、思い描いたトラウマ記憶の映像が再び構築されるのを邪魔することになる。すると、フラッシュバックが薄まるという考えのようです。
あるセラピストは、不安症や過覚醒に悩む患者の気持ちを落ち着かせるために、『テトリス』をすすめているそうです。視覚的要素が強い患者に効果が高いとのこと。
『テトリス』をプレイすることで、トラウマや不安障害によい効果があるのであれば、やらない手はありません。
そこで、実際に『テトリス』をやってみることにします。
パソコンのブラウザ版で『テトリス』が無料でプレイできることを知り、30年ぶりくらいにやってみました。ハマってしまいます。夢中になってプレイし続けました。やり過ぎて眼が痛くなりました…
これでは生活に支障がでてしまうと思ってアナログなものを探したところ、いいものを発見。早速、購入しました。
『テトリス風のパズル積み木』
使ってみると楽しいし、眼も痛くなりません。手先を使うのもいいと思います。『知育玩具』として売られているので、子どもにも活用できそうです。
『テトリス』以外にも、絵を描くことやジグソーパズル、モザイク作りなど、高度な視空間能力を要する作業であればフラッシュバックを弱めるにはいいようです。一方で、クロスワードパズルや読書など言葉を使って意識をそらせる方法はあまり効果がないと研究者はいいます。
前者は右脳の視空間性ワーキングメモリを使い、後者は左脳の言語性ワーキングメモリを使うからなのでしょう。
最後になりますが、試す価値はあると思います。
誰しも、嫌なイメージが突然よみがえることはあるはずです。そんなときに、パズル的なものをやってみましょう。そうすれば、右脳の視空間ワーキングメモリが働きます。そうすれば、嫌なイメージの再構築を邪魔してくれるはずです。少なくとも嫌なイメージが長く続くことから気をそらすことはできます。