動物版「感覚のシンプル問診表」の立体模型をつくりました

◇はじめに
「感覚過敏や感覚鈍麻はありますか?」という質問に対して、「よくわかりません」という答えをもらうことが多いです。
感覚は主観的なものです。他人と比較しづらいので仕方ないのかもしれません。
今回のテーマは、『感覚特性を自覚しやすくする』です。
◇「動物に例えると…」
感覚特性を分かりやすくするにはどうしたらいいかを考えていたときに、慣れ親しんだお客さんとの会話が頭に浮かびました。
ずっと動き回っていてボーッとするのが苦手なお客さんに、「止まると死んでしまうサメやマグロのようなタイプですね」と冗談めかして言ったりします。
「感覚特性を動物に例えるとわかりやすいのではないか。ひと昔前に"動物占い"なるものも流行ったし」と思いました。
元にしたのは、以前に配信した「感覚のシンプル問診表」。
https://relax-earth.com/hattatsu_column8
この記事でも利用した表です。

これらに動物を当てはめます。
触覚↑:ネコ🐈「ベタベタ触られるのが苦手」
触覚↓:イヌ🐕「スキンシップが好き」
固有↓:タコ🐙「姿勢がぐにゃぐにゃ」
前庭↑:ヘビ🐍「乗り物酔いする」
前庭↓:サメ🦈「じっとしているのが苦手」
聴覚↑:ウサギ🐇「物音に敏感に反応」
※ちなみにヘビの前庭覚が過敏で乗り物酔いするかは不明。ヘビのとぐろを巻いている渦巻きが「目を回している」イメージと重なったからという理由です。
◇立体模型
これらを正八面体の立体に落とし込みます。

展開図のダウンロードはコチラ
◇使用例
触覚↑↓「友達にベタベタ触られるのが苦手だとネコ🐈系、友達とのスキンシップが好きなのがイヌ🐕系、自分はどちらだと思いますか?」
聴覚↑「ウサギ🐇のように物音に敏感だったりしますか?」
固有覚↓「タコ🐙のように姿勢がぐにゃぐにゃだったりしますか?」
前庭覚↑「ヘビ🐍のように乗り物酔いしますか?」
前庭覚↓「サメ🦈のようにずっと動き回っていますか?」
どうもヘビの項目だけピンときません。「乗り物酔いしますか?」だけのほうがわかりやすい気もしますが保留します。
なんにせよ、動物に例えて質問するとイメージしやすいようで、「そういえば…」という感じで答えてくれます。
◇子ども向け
子どもに対しても有効かと思います。
「○○ちゃんはウサギ🐇タイプだから、耳が敏感なんだよ~」
「○○くんはネコ🐈系だから、ベタベタされるの苦手なんだよね~」
などと言ってあげると、本人も納得しやすいのではないでしょうか。
また、周囲の人も「この子は○○タイプだから…」と特性を受け入れやすくなると思います。
◇まとめ
『感覚特性を自覚しやすくする』というテーマでしたが、感覚特性を本人が自覚しやすくなるだけでなく、周囲の人の理解もあがることでしょう。
"動物に例える"という単純な発想ですが、生きやすくなるきっかけになるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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